【最新更新日　：　2019年12月18日 水曜日 】

２０１９年の読書履歴(№50)

★ 評価は、私の独断と偏見でつけたもので、読んだ時点で「ん、これは良かった！」と思った本です。 　　本そのものの良し悪しとはまったく関係ありません。☆はイチ推し、◎は、おすすめの本です。

№	了月	書 籍 名	著 者	出 版 社	評価	抜き書き＆コメント
50	19/12	「在日」論の嘘	浅川晃広	PHP研究所	◎	まえがき ・そもそも日本に残留した「在日一世」は、日本での在留期間が長く、生活基盤が日本で確立されていたため、あえて帰国を選択しなかった人々であり、「強制連行の末裔」などというのは、それこそ「嘘」にすぎない。 第三章　「帰化申請体験キャンペーン」の虚構 　　　　　　――辛淑玉の在日「帰化神話」を解体する 在日の「趨勢」に従うか、「抵抗勢力」となるか ・戦後、約二十万人もの在日韓国・朝鮮人が自らの意思で帰化を選択し、堂々と日本社会のフルメンバーとして参画している。 第五章　「帰国事業」に関する「日本政府責任論」の欺瞞 　　　　　　――北朝鮮の国家犯罪の隠蔽を図るテッサ・モーリス＝スズキと朝日 「帰国事業」は現在進行中の北朝鮮の国家犯罪 ・帰国事業は、自国を「地上の楽園」と偽って在日朝鮮人をだまし、生活水準が極度に低い、「地上の地獄」とでもいうべき地へ移住させただけでなく、「帰国者」としていわれのない差別を味わわせ、北朝鮮社会の最下層に置き、少しでも体制に反対を唱えようものなら抹殺してしまうという恐るべきものであった。 ・「帰国事業」そのものの推進にきわめて大きな役割を果した朝日新聞やそれに連なる左翼系人士たちは、「日本政府の関与」を必要以上に強調する「日本政府責任論」を展開し始めている。 最大の問題は帰国者がたどった悲惨な運命 ・当時の在日朝鮮人の「帰国事業」に決定的な影響を与えた日本のマスコミの役割がきわめて大きかった。 「帰国事業」を煽ったのは誰か ・日本のマスコミや在日本朝鮮人総連合会は北朝鮮を「地上の楽園」だと宣伝していた。 ・特に日本のマスコミのそれは社会主義への幻想とかつての植民地支配への贖罪意識から実情を見極めないまま行なった手放しの賛美に過ぎないものだった。 ・北朝鮮をほめるだけの総聯の人びととの違って、日本人は第三者なのだから客観的な目で北朝鮮の実情を見聞し、それを公正に伝えていると思った。 執拗な「地上の楽園」キャンペーン ・日本の全国紙の記事が在日朝鮮人にどれだけの影響を与えたかは計り知れない。 ・朝日新聞こそが、こうした記事によって「地上の楽園」に帰還する意思を煽動していたのである。 在日朝鮮人に絶大な影響力を持つ朝日 ・一九五一年に出された、東京都江東区枝川町の朝鮮人集団居住地域の『在日朝鮮人の生活実態』によると、地域の百十六世帯のうち、実にその四分の三にあたる八十七世帯が生活保護を受けており、その「貧困」さがことさらに強調されている。 ・しかし、新聞の購読状況を見てみると、一紙購読が六十八世帯、二紙購読が十七世帯の合計八十五世帯なのである。 ・大方が生活保護を受けて税金を滞納し、一年間新しい衣類を買えない状況にあるにもかかわらず、その大部分は新聞を購読し、朝日新聞だけは購読していたという事実が明らかになっている。 第六章　「特権意識」から脱却できぬ「在日マイノリティ」 　　　　　　――東京都保健師管理職裁判に見る歪んだ思考様式 戦後の「無法行為」の再来を目指すのか ・朝連（在日朝鮮人連盟）は各地で引揚者名簿を作り、帰国証明書を発行し、財産管理を行ない、列車、バスなどの無賃・不法乗車、乗船のあっせん等を行うほか、保安隊、自衛隊、警備隊、自治隊、青年隊などの自衛組織をつくり警察権の類似行為を行なったと言われ、また朝連の威力を背景に集団強窃盗、詐欺、掠奪、殴打暴行、占拠監禁、人民裁判などが行なわれ、いわゆる不法行為の発生状況は集計されたもので一九四五年八月から十二月までで百三十六件であった。 ・この「朝連」による暴力行為を裏づける証言が一九八二年に在日本大韓民国青年会が千百六人の「在日」一世に行った、聞き取り調査報告書に掲載されている。 ・無法行為の数々は、敗戦国民より上位に位置づけられたこと、すなわち「外国人」であることの結果であった。 ・しかし、この力関係は、一九五二年に日本が主権を回復したため、外国人であることが國民よりも権利が制限されるという通常の状態に戻ったことにより、終焉した。 ・外国人が特権を有する時代は終わった。けれども在日朝鮮人は特権的な外国人たるべきであるとする要求を下ろすことはなかった。退去強制なく、無条件で子々孫々まで永住権を有するべきだというのが、今日に至るまでの彼らの主張で振る。 第七章　戦後「在日神話」としての国籍剥奪という嘘 　　　　　　　――大沼保昭・東大教授のフィクションを積み重ねた「国籍と人権」 韓国政府との合意でなされた日本国籍喪失 ・日本政府が、日本政府のみの裁量で、在日朝鮮人の意志も考慮せず、一方的に「剥奪」した。「日本政府のみが一方的」に国籍を剥奪した。 ・しかし、この指摘は、「講和発効時に日本国籍喪失　在留朝鮮人」と題する、一九五一年十二月二十三日の朝日新聞紀事の存在により早くも否定されてしまう。 ・同記事によれば、「在日朝鮮人の国籍問題に関する日韓会談は、国籍、永住権、日本における待遇、引揚げの際携行する荷物と本国送金などの点に就いて原則的に意見の一致」を見、「終戦前から日本に引続き在留する朝鮮人は対日講和条約発効と同時に日本国籍を失う」ことなどで韓国政府と日本政府は合意している。 ・これだけでは、「日本政府が強要した」などという批判の可能性も否定できないのだが、これも一九五一年十月十一日の「在日朝鮮人に韓国々籍」という朝日新聞の記事がある。 ・これは「韓国政府は十日の閣議で在日朝鮮人に韓国国籍を与え、その人権および財産に保護を与えることに決定した」と報じるだけの記事だが、まさしく韓国政府こそが一方的に韓国国籍を「押し付け」ているのである。 ・これは十月二十日からの日本政府との会談が開始される直前で、もし韓国政府が日本政府と交渉して、在日朝鮮人に国籍選択権を付与する意志があるのなら、こうした決定はそもそもありえない。 ・それゆえに、日本国籍喪失については、韓国政府も強い意志を有していたことは明白である。 ・日本政府が独自の意志で国籍を喪失させた、という主張そのものが史実に反しているのだ。 「権利を否認、法律からも排除」という嘘 ・一連の社会保障制度の中で最も重要なのは、言うまでもなく「生活保護」であるが、これについては、戦後一貫して、一九五二年の国籍喪失から継続して、在日朝鮮人に適用されてきている。 ・生活保護が「国が生活に困窮するすべての国民に対し、その困窮の程度に応じ、必要な保護」を与える（生活保護法第一条）ものであるにもかかわらず、なぜ「外国人」である在日朝鮮人にも適用されるようになったのか。 ・生活保護法では、日本国民しか保護の対象にできない。そこで法律の執行機関にすぎない行政府が、立法府である国会が制定した法律によらずに「行政措置」で勝手に莫大な予算を「在日」に配分したのだ。 ・「行政措置」により、一九五六年九月段階で、実に十万二千二百五十三人の在日朝鮮人が生活保護の適用を受けており、日本人は一千人当たり十八・九人という割合に対し、在日朝鮮人は一千人当たり百七十四人という、実に日本人の九倍以上の割合で適用されているのである。 【私見 ： 在日朝鮮人の生活保護受給者がこれだけ多いというのは、それだけ在日朝鮮人の生活が困窮していたということではないのか】 　　――　完　――