【最新更新日　：　2016年11月11日 金曜日 】

２０１６年の読書履歴（№16-95）

★ 評価は、私の独断と偏見でつけたもので、読んだ時点で「ん、これは良かった！」と思った本です。 　　本そのものの良し悪しとはまったく関係ありません。☆はイチ推し、◎は、おすすめの本です。

№	了月	書 籍 名		著 者	出 版 社	評価	抜き書き
95	16/11		人物 中国の歴史　４ 長城とシルクロードと	司馬遼太郎 責任編集	集英社	◎	世界最初の農民反乱の指導者 　陳勝(ちんしよう)と呉広(ごこう)　　　　　　●駒田信二 ・陳勝曰く、 　「ああ、燕雀(えんじやく)いずくんぞ鴻鵠(こうこく)の志を知らんや」（燕(つばめ)や雀(すずめ)のような小さな鳥に、どうして鴻(おおとり)や鵠(はくちよう)のような大きな鳥の志がわかろうか） 天下を争った宿命のライバル 　項羽と劉邦　　　　　　　●真鍋呉夫 ・垓下(がいか)で自害した虞(ぐ)姫の上に、血のように真っ赤な罌粟(けし)の花が咲いたのも、その年の夏のことであった。以来、人びとはこの花のことを虞美人草と呼ぶようになった。 西域ルートを開発し世界帝国を夢みた 　漢の武帝　　　　　　　　　　　　　　　　　　　●村松　暎 ・董仲舒 　司馬遷の『史記』の完成と並んで、武帝治下における文化上の最大の出来事は「儒教の国教化」であるが、その立役者となったのが董仲舒である。 当代随一の詩人と不屈の大歴史家 　司馬相如(しばそうじよ)と司馬遷(しばせん)　　　　　　　　　　　　●バートン・ワトソン 歴史の役割 ・中国人は熱心な歴史の著者であり読者であった。彼らが保存してきた過去に関する厖大な事実報道はまことに驚くべきものがある。 ・なぜ過去の出来事を記録し研究しなければならないかという点について、古代の中国人は２つの理由を主張している。 ・中国人の考えによれば、人間界と自然界は不断の変化によって特徴づけられる。そして生涯を成功裏に過すためには、人はこの変化の過程を理解し、変化の中にあることを認識しなければならない。そのためには、人は現在この世界に起っている出来事を観察するだけでは不十分である。人間社会に影響を与える変化の大きなサイクルを理解し、政治的社会的制度がいかにして発生しやがて衰微崩壊して行くかを理解できるためには、人は過去の歴史を研究しなければならない。 ・歴史はそれゆえ、自分の生きている時代がいかなる時代かを理解し、自分がどのような行動をとるべきかをわきまえるための、手助けとなる鑑(かがみ)である。 ・それが司馬光(しばこう)（北宋の歴史家、一〇一九 ― 八六）の書いた厖大な歴史書が『資治通鑑(しじつうがん)』（政治の助けとなる総合的歴史）と題された理由である。 ・しかしもし歴史家が現代及び未来の人間に対する奉仕として変化の法則を理解させる役割を荷うとするならば、同時に彼は過去の人間に対しても同じように奉仕の役割を果たさねばならない。すなわち歴史家は彼ら過去の人間の名が忘却の彼方へ捨て去られないように、彼らの生涯の記録を保存することによって彼らに奉仕するのである。 ・歴史家は彼らに一種の不滅性を付与し、それによって彼らの努力と苦難に報い、ある場合には彼らが生存中に獲得できなかった評価を与えるのである。 ・歴史を書くことは、過去の善良な人間に永続的な称賛を享受させ、邪悪な人間に永遠の懲罰を受けさせることを保証するための手段なのである。