| ★ 評価は、私の独断と偏見でつけたもので、読んだ時点で「ん、これは良かった！」と思った本です。 本そのものの良し悪しとはまったく関係ありません。☆はイチ推し、◎は、おすすめの本です。 |
【最新更新日 ： 2019年03月01日 金曜日 】
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| № | 了月 | 書 籍 名 | 著 者 | 出 版 社 | 評価 | コメント＆抜き書きへのリンク | |
88 |
18/11 |
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醜い韓国人 |
KAPPA BUSINESS |
◎ |
はじめに 朴 泰赫 ・このごろのわが韓国の若い世代の「反日感情」には、いささか戸惑いを抱かずにはいられない。 ・たとえば、若い韓国人たちは、日本帝国主義が突然、平和な楽園であった韓国社会に、軍靴で踏み込んできたかのような見方をしたり、あるいは、極悪非道な日本人が、 ・率直なところ、李朝末期は平和でもなければ、楽園でもなく、それどころかとうてい誇りをもてるような社会ではなかったのだ。 ・四色党派の抗争に明け暮れ、 ・また、十九世紀末の世界のなかで、清国、ロシア、日本の狭間で、国家を維持する力が消失していたことも事実であったのだ。 ・われわれ韓国人にとっては、日本が韓国を植民地としたことは痛恨のきわみであったとしても、日本統治が封建社会から近代社会へ変わる糸口をつくり、韓国の近代化の基盤を築くことになった点を、勇気をもって直視しなければならないのだ。 ・なぜならば、歴史的事実を歪めたり、隠蔽したり、あるいは真実を疎んじるならば、民族には進歩がなく、停滞するだけであるからだ。 韓国人として、覚醒すべきこと ・韓国は今日、重要な岐路に立っている。韓国人は、現在、自分を見失っているのだ。これほど、不幸な事態はない。 ・たとえば、われわれの韓国社会が、いかに荒廃しているか。いかに、不正腐敗が横行しているか。 ・一方、一瞬のうちに、地獄のような廃墟と化した阪神大震災に対しての日本人の対応――その冷静さ、その助け合い、その秩序意識……日本社会は、なんと成熟した「市民社会」であることか。 ・われわれは、どこの国からであれ、学ぶべきところは学ぶべきではなかろうか。ましてや、日本は隣国である。 １章 日本「敗戦の日」の韓国人と日本人 ●一九四五年八月十五日の「ソウル」 引き揚げる日本人を涙で見送った韓国人 加瀬 ・終戦時に、日本人が南朝鮮にどのくらいいたか、というと、一般人がおよそ七十万人に、軍人が十八万人です。 ・その後、北朝鮮から二十九万人あまりの日本人が南朝鮮に逃れてきました。 ・だから、引揚げが完了するまでは、百二十万人近い日本人がいたことになります。 朴 ・日本人が引き揚げるときには、韓国人の友人や、韓国人の雇い人が、去ってゆく日本人と泣いて別れを惜しんでいる光景は、いくらでもみられました。 加瀬 ・戦後、韓国から日本人が無事に引き揚げることができたことについては、日本人は、韓国民に対して感謝の念を忘れてはなりません。 朴 ・あの時代には人々に道義心がもっとありました。あの時代は、治安がよかったから、女性が一人で夜道を歩いてもまったく安全でした。今日の日本の都市と、変わらなかったんです。 ・しかし、今日の韓国社会は、どうなったでしょうか。女性が夜間に、道を歩くのは危険です。昼間だって、けっして安心できません。治安がひどく悪化しました。 ・日本時代は、人々が規律正しかった。これは、警察力によって上から押えつけていたから、ということではなかったですね。人々に公徳心があったんです。 ２章 韓国・若者世代の「反日感情」 ●まず、自らは今日の荒廃社会を直視すべきだ 韓国社会の腐敗ぶり――「至尊派」連続凶悪殺人と「盗税」現象 朴 ・警察官は金が儲かるといわれてきましたが、刑務官のほうがその上をいっている。 ・韓国では、金をやらないと、警官が出動しないというのは、常識です。 "富裕層の堕落した生活が、貧民層の疎外感を深めている" 朴 ・日本統治時代には、官公吏の汚職はなかった。 ・今日のように、下級官吏までが、こぞって賄賂を取るようなことがなかった。 ・今日の韓国では、ほとんどの分野に、ブローカーがいます。 ・裁判についてまでもブローカーがいます。ブローカーに頼むと、刑量が軽くなる。罰金が安くなる。 ・庶民は、銀行から融資を受けるのが、難しい。そこで、銀行の課長あたりに、袖の下を渡すんです。そうでもしないかぎり、庶民を相手にしない。 ・病院にもブローカーがいる。ブローカーが開門以前に塀を越えて行って、先に順番票を貰うんです。それをヤミで売る。 ・番号が先だから、その順番票を買えば、先に診て貰えるんです。 ・普通の総合病院だったら、看護婦に一万ウォンを渡すと、看護婦が医者と組んでいて、順番を待っている人々よりも早く診てくれる。 ３章 ●なぜ、おびただしい人々の血が流されたか "韓国民衆は、日本統治時代より生活苦にあえいでいる" 加瀬 ・韓国の経済はもう、解放一年目には破綻していました。 ・一九四七年九月には、雇用が日本の降伏時から六〇％も減ってしまい、翌年には国務省の報告書によれば、韓国の鉱工業生産は解放時の十分の一まで縮小した。 ・日本人の経営幹部や、技術者が、日本へ帰ってしまったことも、経済に打撃を与えました。技術者の八〇％が日本人だった。 朴 ・日本統治下では、多くの韓国人のエリートが京城帝国大学（現在のソウル大学）、日本の一流大学で学びましたが、李朝五〇〇年の儒教の伝統によって、技術者は職人とされて、地位が低く、卑しまれたため、技術畑の人材不足を生みました。 ・それに、解放されたことによって、韓国人は、なんでも安易に手に入ると信じたことと、激しい党派抗争が起こったのも、生産の低下をもたらしました。 ・日本統治時代には、朝鮮北部に工業が興され、朝鮮南部は農業が主体となっていました。そこで分断された苦痛は、南のほうが大きかった。 加瀬 ・日本の敗戦の時点では、電力の九〇％以上、石炭の七〇％以上、工業生産の八〇％以上が、北にあった。 朴 ・解放時に、韓国で高等教育を受け、どの分野であれ、経験を積んだ人々は、みな、「親日派」であった。 ・北朝鮮では、日本に協力した「親日派」を徹底的に排除し、殺してしまった。 ・北朝鮮が今日、経済的に破綻した理由は、ほかにもたくさんありますが、「親日派」を抹殺してしまったことも、大きい。 ５章 「«韓国版»死の行進」事件の真相 ●凍死者数十万人という痛ましい政治的怪事件の背後関係 「国民防衛軍事件」――朝鮮戦争当時の韓国軍が敗走するとき発生 朴 ・韓国現代史には、真実を抹殺したり、事実を歪曲したり、その重要性を意図的に過小評価した事例が、あまりにも多すぎるんです。 ６章 ●「韓国」独立を叫びながら、 "親日派" と断罪された２人 韓日併合――韓国の歴史教科書は、どう教えているか 朴 ・明治時代の日本は、三つの重大な外交問題に直面しました。辺境の確定と、欧米列強諸国との不平等条約の改正と、対韓問題でした。 ・このなかで、日本の安全をもっとも脅かすと考えたのが、列強諸国が進出を企てた朝鮮半島でした。 ・当時の韓国は、李朝末期にありましたが、このような現実を見のがしてしまいました。いや、見ようとしなかったんです。 ・韓国では、権力者たちが自分たちの利益を追及することに耽って、勢道政治による党争に明け暮れていました。 ・勢道政治は、国王の信任をえた人物が、権力を振り回すものです。 ・韓国の中学校や、高校の歴史教科書では、日本がどうして、あのように短時間で、韓国を併合し、植民地化することができたのか、ということになると、きわめて重要なことであるのにもかかわらず、十分に説明していません。 加瀬 ・明治時代の日本にとって、日清・日露戦争は、はじめは清国、つぎはロシアに対して、朝鮮半島の支配権をめぐって、戦われたものでした。 ・当時の世界は、西洋による帝国主義の全盛期でした。世界が食うか、食われるか、という掟によって、支配されてきました。 ・日本はいつも、韓国を大陸とのかかわり合いで見ているんです。あのころも、今日も、変わりません。 ・朝鮮半島は、日本の脇腹に突きつけられた、 ・韓国の中学校教科書には、日本が明治初年から「わが国に野心を抱きつつ、機会を狙っていた」と書かれていますが、帝国主義勢力が角逐していた、当時の世界が置かれていた時代背景を説明しなければ、日本は単なる悪者になってしまいます。 ・あの時代の朝鮮は、政治と社会が腐敗しきっており、国全体が疲弊していました。 ・支配階級は外からの脅威をよそに、党派抗争に耽っていたので、相手が日本であれ、清国、ロシアであれ、どの強国に対しても、抵抗することができなかった。 ・政権を握っていた閔氏一派による朝鮮政府は、はじめ清と結んでいたことから、「事大党」として知られました。 ・朝鮮が長い間、清国に対して「事大の礼」を取ってきたことから、そう呼ばれました。 ・「事大」は、中国語で「大きなものに仕える」という意味ですね。 ・日本が日清戦争に勝つと、国王だった高宗は、こんどはロシアの力を借りて、日本に対抗しようとします。 ・高宗と世子（皇太子）が一八九六年から一年あまり、ロシア公使館に立て籠もって、政治を行なったほどでした。 ・日本のなかでは、伊藤博文をはじめとして、韓国を併合することに対して、はじめは消極的であったが、反対していた者も、多かったんです。 ・韓国を併合すれば、韓国の対外債務を引き受けねばならなかったし、巨額な投資を行なわねばならなからでした。 ・当時の韓国社会のなかで、国民がいかに苛酷な状況に置かれていたのか、青少年にもっと教えるべきだと思います。 朴 ・甲申政変後に、列強の韓国に対する政治的、経済的、軍事的な侵略競争が、過熱しました。清国と日本との間の侵略的な対立が、いっそう激化しただけでなく、ロシアや、イギリスまでも、韓国に手を出すようになります。 ・しかし、朝鮮の支配層と官僚は、外国勢力の侵略に対して、適切な対応策を立てることがなく、妥協と屈服を繰り返しながら、外国勢力の力を借りて、ひたすら権力を維持することをはかりました。 【 私見 ： 軍事力を持たない国は、結局当時の国際社会では植民地対象になってしまう。非武装による平和は、一国だけでは成立し得ない 】 ・開港以後、国家財政が国際紛争による賠償金の支払いや、近代制度の採用に必要とする経費の支出によって、いっそう窮乏したために、支配層の農民に対する圧迫と収奪がさらに苛酷なものとなりました。 ・それよりも、国自体があまりにも腐敗していたから、適切な対応策を立てようがなかったんです。 ・高校の教科書を読むと、韓日併合前の韓国農村の荒廃は、日本人による「立稲先売」によってもたらされた、と書いています。 ・が、なぜ、朝鮮政府が日本人による「立稲先売」を許したのか、その以前から、農村が疲弊しきっていたのは、なぜか。一方的に日本を責めるのでは、責任を転嫁することになりますね。 ・「立稲先売」はその年の作柄を見て、農民から安く買うものです。これは、当時の韓国では商業慣習と見なされていました。 ・「立稲先売」は、日本商人が発明したものではありません。この制度はもう古いもので、両班が、貧しい農民を搾りあげたものでした。 ・農民経済が破綻すると、農民の不満がふくらみました。また、内外情勢が悪化したことによって、知識人の社会意識も大きく変わって、社会改革を求めるようになりました。 ・このころに、東学が教勢を三南地方を中心として、拡大しました。 ・東学の人間平等思想と社会改革思想が、世直しを求める農民たちと結びついて、従来の散発的な民乱が、農民戦争に形態を変えるようになります。 東学農民運動――なぜ韓国の民族運動の原点を評価しないのか 朴 ・東学教徒は、東学を国家によって認めさせようとしますが、東学教徒と農民が参加する大規模な集会に発展し、東学教団による宗教運動が、「貪官汚吏の粛清」、「日本と西洋勢力の駆逐」を要求する政治的スローガンを掲げ、農民運動に発展してゆきました。 ・政府は、東学農民軍の改革要求を受け入れる意志が、はじめからなかった。 ・とにかく、武力によって農民軍を鎮圧する能力がなかったので、清国に派兵を乞いました。 ・当時、一千万人の人口を持つと称していた国だったのに、官兵は六千人しかいなかったんです。だから、外国の力を借りないと、国内の騒擾も鎮定できなかったんです。 加瀬 ・韓国は高麗時代の十三世紀に蒙古が侵略して踏み躙られ、李朝時代に入ると、十六世紀末に秀吉の侵寇を被りました。 ・その三十年後に満州の女真族――後の清国です――による侵略を被って、降伏し、その後、清に対する臣礼を強制されました。 ・また、倭寇に悩まされたのにもかかわらず、満足な軍隊を持とうとしなかった。 ・これは、軍隊を持つと、政権が脅かされることを、恐れたからでしたね。 朴 ・李朝政権は倒れるべくして、倒れたんです。 加瀬 ・これは、李朝末期の韓国が腐敗し、乱れていたから、外国の支配を招いてしまったという、停滞説ですね。 ・東学党が、外国勢力の駆逐を叫んで立ち上がったことによって、かえって外国勢力の侵入を招いたというのは、皮肉でした。 朴 ・東学農民運動は、初期は民乱にとどまっていたが、政府が収拾策を欠いたために、大規模な農民戦争にまで発展しました。 ・東学農民運動は、奴婢文書の焼却、土地の平均分与など、社会制度の根本的な改革を要求するようになり、外へ向けては、外国勢力による侵略を排除する近代的民族運動の性格を帯びました。 ・奴婢は李朝末期にいたるまで、売り買いされたんです。 ・朝鮮政府は東学農民運動を、日本と結んで、徹底的に弾圧しました。 ・三十六年間にわたった異民族である日本の支配も、その根源を探ると、東学農民革命から発しています。 ・東学農民運動こそ、韓国の近代史における社会革命と改革の嚆矢だ。 ・韓民族は、李朝時代を通じて儒教によって抑えつけられたために、身分制度も、政権の専制に従うのも、すべて天命だと思い、悲惨な生活に甘んじていました。 ・東学党はこのような苛酷な境遇に心身を委ねていた農民に、人間平等精神を教え、平民、奴婢も、両班と同じ権利をもって生まれた人間であることを覚らせ、生きる喜びをもたらせようとしました。 ・今日、韓国人の大多数が、東学農民運動を専制制度と両班の横暴に対して立ち上がった乱だ、とみなしています。しかし、東学の精神と東学革命については、よく知られていません。 ・李容九は、東学革命が日本と清国の干渉によって失敗した後に、東学の事実上の指導者となりますが、東洋のありかたについて、どのように考えて、どのように活動したのか、もっと目を向けねばなりません。 ・歴史が意味を持ち、学問として成り立ちえるのは、歴史を知らずには、現在を位置づけることができないし、未来が霧のなかに包まれることになってしまうからです。 ・歴史こそ、未来を見抜く力を持っているんですよ。 ・フランスの哲学者が、人が未来へ向かって正しく進んでゆくためには、過去にわけ入ってゆかねばならない、と警告しています。 金玉均―― "親日派" だから「国賊」となった英才 加瀬 ・東学党の創始者である ・封建制度に対して「四民平等」を掲げた、明治維新とも、よく似ています。 朴 ・李朝のもとでは、儒教は支配層の学問とされ、人民には縁のないものでした。 ・ ・これは支配層にとって、許せないことでしたから、邪学としてきめつけられて、東学党は徹底的な弾圧を被りました。 ・金玉均は一八八四年に三十三歳で独立党を率いて閔氏一派の事大党勢力の除去を企て、日本軍の力を借りてクーデターを試みました。甲申事変です。 加瀬 ・ ・明治時代の自由民権を求めた人々が、李朝の専制に対して立ち上がった東学党や、開明派を支援したのは、興味深い。 朴 ・李容九が日本に渡ったのは、東学革命が失敗したからでした。 加瀬 ・当時、日本では、二つの大陸論の流れがありました。 ・清国と韓国が欧米列強の侵略を被れば、日本も脅かされる。 ・両国を強化するためには、日本が隣邦を覚醒し、力を培養せしめなければならない、という考え方でした。 ・薩摩藩士で、賢候として名高かった島津斉彬、西郷隆盛、勝海舟などが、この論者です。 ・東学党を応援した自由民権論者は、アジア連帯主義を掲げていました。 ・もう一つは、日本の勢力を隣邦におよぼして、日本が自らアジアへ国防線を拡大し、東亜の保全を計らなければならないというもので、帝国主義の萌芽がありました。これは政府の主流と、国権主義者の考え方でした。 ・日本人の立場からいうと、私は日本が十九世紀末から、帝国主義の道を歩んだことを、今日、いささかも ・当時の世界のなかで、日本が独立を全うするためには、帝国主義の道を歩むほかなかったんです。 李容九――日本人は「日韓併合」に利用しただけで忘れ去った 朴 ・李容九は、日本に滞在中、近代民族国家のあり方に目覚めて、東学の再建のために、苦難が待ち受ける祖国に帰りました。 ・李容九は、東亜が行くべき道と、時代の趨勢をみきわめたうえで、単純な排日政策を否定して、祖国の根本的な建て直しを考えるようになります。 ・一九〇四年ころに、ソウルを中心として、 ・李容九は、日本が韓国を併合する「日韓併合」ではなく、韓国と日本が対等な立場で合併する「韓日合邦」が、韓国を活かす道となると信じたのでした。 ・李容九の思想の根底となったのは、樽井藤吉の『大東合邦論』の主張に、心を打たれたからだったと思います。 加瀬 ・樽井藤吉は自由民権主義者で、一八八二年、長崎で東洋社会党を結成したことで知られています。 ・一八九三年、『大東合邦論』を出版、日本と韓国が対等な立場で、「大東国」という合邦国を結成することを主張しました。 ・李容九と妻の李華師のあいだに生まれた遺児の 朴 ・一進会の四代綱領には、新たに「日本軍を援助して、攻守同盟の実をあげるべきこと」を加えました。 ・李容九は、露日戦争をたんなる二国間の戦争と見ずに、ロシアによって代表される西洋勢力が、全アジアを侵略する重大な戦争とみなしました。 ・ロシアの東漸を、韓日同盟をもって防ぎ、アジアの復興のなかに、韓国が発展する道があると、信じました。 ・明日の朝鮮の運命を、日本と提携することに賭けたんです。 ・一進会が日本に対して多大な貢献をした背後には、韓民族の安泰と発展をはかる、という願望がありました。 ・韓国側からみると、李容九と一進会の働きを、親日行動だったと、一言で片づけられないものがあります。 加瀬 ・日本にしてみれば、朝鮮半島をめぐって、はじめは、清国、つぎはロシアに対して、国家として文字どおり生き死にを賭けた大戦争を戦っているんです。朝鮮半島が安定を失うことを、許容することができなかったんです。 ・私は容九にせよ、日韓併合条約に調印した、韓国の最後の総理であった李完用にせよ、今日の韓国で言われるような、たんなる売国奴ではなかったと思います。 ・それなのに、今日、韓国で金玉均は高く評価されているのに、李容九は売国奴とされている。 ７章 日本統治時代の「 ●韓国人は、決して忘れはしないし、許さない 「従軍慰安婦」問題についての考え方 朴 ・日本の敗戦の二年前の年頭から、「女性供出」が始まる、という流言蜚語が広まりました。 ・しかし、敗戦までは、村の女性が徴用されることは、ほとんどなかった。 ・日本は日華事変で戦線拡大し、多くの要所を占領すると、軍が業者と結んで、兵士のために「慰安所」を設けました。 ・慰安婦たちは韓国の遊郭にいるよりも、収入が二倍にもなったといいます。 ・遊郭業者に女性を供給していた ・しかし、軍や、警察が一般の娘を強制的に誘拐して、慰安婦にしたというのは、まったくありえないことです。 ・もし、強制拉致があったとすれば、今日の韓国社会では、女子中高生を拉致して、売春婦として売り込むようなことが続いていますが、同じような不良分子の仕業だったでしょう。 ・私は地方の村々をめぐって、老人たちに慰安婦に仕立てるための女性狩りはあったか、たずねました。すると、全員がそんなことはなかった、と否定しました。 ・それに、「挺身隊」として無報酬で働いていた、貧しい農村出身の娘たちが、月に最低でも六十円の大金を儲けられるところがあるといって誘われたら、甘言に従った者も、少なくなかったでしょう。 加瀬 ・日本でも、戦前の農村は貧しかったんです。東北では、農村の娘たちは「換金作物」といわれたものでした。日本でも、韓国でも、残酷な時代だったんですよ。従軍慰安婦について、韓国で誤解されていることが多いんです。 朴 ・従軍慰安婦問題ですが、なかには悪質な日本官憲もいましたから、これにつきまとった韓国人が業績をあげるために、一般の娘たちを騙して、従軍慰安婦に売り込んだことは、かなりあったでしょう。 ・それから半世紀以上たった今日、韓国では十六歳の少女が、女友達を誘ってソウルのテキサス街の売春施設に売り渡すとか、娘たちを強制的に拉致して、売春業者に売る事件が、しばしばテレビや、新聞で報道されて多くの女性を不安に陥れています。 ・都市部では、働いていない女性が多くて、女学校生も多かったから、すべての女子中高等学校で「女子挺身隊」が結成されて、近くの工場や、作業所に、無償で働きにゆかされました。 ・今日、韓国のマスコミも、若者たちも、「挺身隊」と「従軍慰安婦」を混同していますが、これはまったく別のもので、なんの関連もないものです。 ・当時は、日本にも、韓国にも、遊郭と呼ばれる、公的に認められた売春宿がありました。 ・日帝は、性犯罪と性病の蔓延を防ぐために、遊郭制度をとっていました。府、市、町まで、遊郭がありました。 ・遊郭の遊女は、日本人が三割くらいで、六割が韓国人だったといわれています。 「爆弾三勇士」の一人は、韓国人上等兵だった 加瀬 ・日本人のなかでも、いったい、どれだけの人が、「爆弾三勇士」の一人が韓国人だったことを、憶えているでしょうか。 ・私は日本国民として、韓国民が日本の戦争努力に、全力をあげて協力してくれたことに対して、感謝の念を忘れてはならない、と思います。 ・日本は朝鮮で、一九三八年から、志願兵制度を実施しましたが、太平洋戦争の開戦の年の一九四一年に三千人募集したところ、二十五万人以上の応募がありました。 朴 ・志願兵は、多くの若者にとって憧れでしたよ。努めてゆけば、階級があがりましたからね。 ・それに、出征した者の家には、「誉れの家」という記章が貼られ、日本人も敬意を払って、よく面倒をみました。 加瀬 ・靖国神社には、二万三千柱の韓国人将兵の英霊が祀られています。だから、私たちは口が割けても、「韓国は嫌いだ」というようなことをいってはなりません。 ・第二次大戦末期に多くの韓国出身の将校や、航空兵が、特攻隊員として九州から沖縄へ出撃して、日本のために生命を捧げました。日本人の一人として、心から、ありがとう、としかいえません。 「韓国が日本を仮想敵国としていた」という異常な事実 朴 ・韓国では、日本文化がすでに韓国に隅々まで浸透しているんです。われわれは、どっぷり首まで漬かっているのです。その現実に目をつむるのは、滑稽ですよ。 ・韓国輸出産業の目玉である自動車は、部品の対日依存度が五九パーセントです。電子製品で四五パーセント、造船でも四〇パーセントです。 ・言葉だって、そうです。学術用語から法律用語まで、日本語を韓国語で発音する者が、おびただしい数で混入しています。 ・韓国の法体系は、総督府が残していったものが、基本になっています。 ・身近なものでは、公衆電話の形も、文房具屋で売っている領収書も、形式がまったく同じです。地下鉄の老人のための優遇堰や、「ワンマンバス」とか「個人タクシー」とか、そのまま模倣している例は、いくらでもあります。 ・新聞の紙面の体裁も、「天声人語」と同じところに、同じようなコラムがある。社説も政界のゴシップも同じ場所にあるというように、まったく同じです。 ・外国語の本のなかでは、日本から輸入された書籍がもっともよく売れています。 ・韓国は、日本から学べることが、多いんですよ。 ・上層部が質素な生活をしているとか、和を尊んで、見栄を張らずに、どんな仕事であれ、自分の与えられた仕事を、誇りを持って、真面目に取り組む、とか、そういった日本社会の長所が、明治以後の日本の発展の原動力となってきました。 加瀬 ・賄賂が社会に浸透していることは、中国からの悪い影響でしょう。これは、韓国にとって不幸なことでした。 ・今日の中華人民共和国は、昔の中国と体質がまったく変わっていません。 ・日本ではエリートは、華美の風俗を嫌って、粗衣、粗食が奨励されました。身辺を正しく、清く保つことが、強調されました。 ・韓国の両班たちは、民衆の窮状をよそに、毎日、ぜいたくを楽しんでいた。これは、四千年にわたる中国の為政者と同じです。 朴 ・韓国民は、十九世紀末から二十世紀初頭にかけて、日本になぜ、やすやすと侵略されてしまったのか、歴史的に検証したうえで、正しい歴史観を持たなければならない、ということです。 ・韓国の知識人として名が知られる人々は、過去の自己批判を棚上げにしておいて、侵略者を恨むことによって、思考を停止してしまっています。 ・そうしない限り、わが国民は進む方向を見失い、いつまでたっても、公正な社会を築くことができません。 ・韓国民は歴史を直視すべきだ。過去を疎かにする者は、現在も疎かにするんです。 ８章 韓国知識人の「植民地」検証 ● "日本植民地の韓国近代化への貢献は否定できない" なぜ、韓国は天皇、首相、外相らの何回もの「謝罪」を認めないのか 朴 ・李朝時代には、書堂やそのうえの書院は、両班と、 ・中人は、両班と、下層庶民である 加瀬 ・どうして韓国では、自国の歴史や、文化に関心が向かなかったんでしょう。 朝鮮総督府が「ハングル」教科書を編修した功績 朴 ・それは、事大主義があまりにも強すぎたからです。 ・自国の文字であるハングルを教えることすら、まったくなかった。近代的なナショナリズムは、多分に日本時代に培われたものです。 ・今の韓国の若者たちは、わが国の歴史も、ハングルも書堂で教えていた、と思っています。 ・李朝時代の韓国は、中国をひたすら崇めて、自ら「小中華」と称していることを誇りとしていました。 ・ハングルは、婦人や子供が使う字として、蔑まれていました。 ・ハングルは日韓併合以前は、公文書にも、祝祭祀文にも、まったく使われなかったんですよ。 加瀬 ・日韓併合まで、韓国では公文書だけではなく、書簡から、祝祭祀の祭文、日記にいたるまで、すべて漢文で書かれていますね。 朴 ・今日、韓国人が、全員、「ハングル」を読み書きできるようになったのは、日本統治時代に小学校で「ハングル」を教えたことから、始まっています。これは、客観的な事実であって、否定することはできませんよ。 ・日韓併合以前には、「ハングル」があったにもかかわらず、「常人」の九割以上が、読み書きできませんでした。 ・日帝が両班階級による横暴を取り締まったので、民衆の生活は楽になりました。 ・民衆の側から見れば、李朝時代よりも、日本統治時代のほうが、生活があらゆる面でよくなったから、対日感情はけっして悪いものではなかったんです。 ・李朝時代の苛酷な身分制度の軛から解放されたことが、なんといっても、農村の雰囲気を明るくしましたね。 ・日本人に対する一般人の態度は、今になって言われるようなものではなくて、もっと親しいものでした。 "日本の植民地政策が韓国の近代化に貢献したことは否定できない" 加瀬 ・中部大学（愛知県）の 「日本の植民地のみならず植民地は被移民地へ少なからず近代化に貢献したことも否定できない」 「全国的には韓国人のプライドを大きく傷つけたことは確かである」 「日本が韓国を支配したことによって、韓国人の自尊心に癒せないような深い傷を負わせたでしょうし、悪いことも多くしたでしょう。しかし、日本も歴史によって、韓国を支配することを強いられたという意味で、韓国と同じような歴史の犠牲者だったと思います」 「そして、あくまでも、このような歴史の制約のなかにおけるものでしたが、善意をもって、韓国の民衆の福祉の向上のために尽くした面も、少なくなかったと思います」 「村での植民地統治への態度は相対的である。李朝の両班の残酷性と戦後独裁政権に比べてましであると思われていたことも結構あった」 「戦後の韓国の民族主義的学者たちは国家主義のイデオロギーの極大化により、ナショナリズムが高まり侵略主義に対する独立運動に焦点を置き、その研究内容の大部分は、否定的な面だけであって客観性の乏しいものが多い」 「それらは民衆側からは離れていったものである。それは本研究の進行中、当時の体験者たちへのインタビューから分かったことである」 ・台湾の植民地統治は、半世紀に及びました。そして、今日では、総統以下の多くの官民の指導的な地位にある人びとが、日本の統治のおかげで、今日の台湾の発展がもたらされたと、賞讃しています。 あとがき 加瀬英明 なぜ、韓国社会は自由な意見が許されないのか ・韓国が日本の支配から解放されてから、かつての日本統治が韓国社会の近代化に多少なりとも役立ったという見方は、これまで韓国のマスコミによって真っ向から排除されてきた。 ・先進民主諸国では、どのような意見であっても、自由に述べることが許されていねばならない。 日韓関係のために必要なこと ・韓国における日本統治時代のすべてが悪かったということが、今日、韓国のマスコミによって国民的な合意であるとされているが、それは事実に反する。 ・朴氏がいまだに匿名で語らなければならないというところに、今日の日韓関係の難しさがある。 ―― 完 ―― |
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