【最新更新日　：　2020年09月27日 日曜日 】

２０２０年の読書履歴（№30）

★ 評価は、私の独断と偏見でつけたもので、読んだ時点で「ん、これは良かった！」と思った本です。 　　本そのものの良し悪しとはまったく関係ありません。☆はイチ推し、◎は、おすすめの本です。

№	了月	書 籍 名	著 者	出 版 社	評価	コメント＆抜き書き
30	20.09	２０１６年　世界の真実	長谷川慶太郎	WAC文庫	◎	第１章　新日米同盟の誕生・「戦後」は新しい段階に入った 韓国・中国とアメリカの歴史認識は違う ・韓国・中国の歴史認識とアメリカの歴史認識は違う。 ・歴史認識に関して、「アメリカは慰安婦問題を女性の人権問題として捉えている」と指摘する人がいる。 ・慰安婦問題の本質とは何か。人身売買である。 ・アメリカも慰安婦が人身売買の問題だということを知っている。だから、日本に対して特別に「韓国人慰安婦の問題」を言挙げしようとしていない。 ・では、人身売買はだれの責任か。親の責任である。親に甲斐性がなく、お金を稼ぐために子どもを売った。それを韓国はいいたくない。だから、日本の名を挙げて非難するのだ。 ドイツは国家賠償でなく個人補償をした ・日本とドイツの戦後処理で大きな違いがある。それは個人補償の有無だ。 ・戦争中、日本の軍人は約三百十万人が死んだが、その遺族はすべて年金をもらう資格が与えられた。軍人であれば、朝鮮、台湾出身の戦死者に対しても日本政府は補償している。 ・ところが、日本は民間の戦争被害者に対する補償をしていない。 ・沖縄と東京の戦災犠牲者の数はほぼ同じだが、東京大空襲の遺族も沖縄戦の遺族も補償を受けていない。 ・戦争で亡くなったという点で、民間人も軍人も違いはない。違っているのは軍服を着ているかいないかだけだ。 ・第二次世界大戦中に与えた被害に関して、ドイツは国に対する保証はやっていないが、個人に対する補償をしている。これは他国の国民だけでなく、ドイツ国民も対象になった。 ・一九四九年にドイツ連邦共和国（西ドイツ）という国ができた。そのときにまずやったことは何か。「負担均等法」という法律をつくった。「負担」とは戦争の被害に対する賠償の負担である。 ・当時の西ドイツで不動産を持っている人間は、農民も家主も全部含めて、年賦で払う特別税が課せられた。その特別税を見返りにして債券を発行し、民間の犠牲者にも年金を払った。 第４章　アベノミクス成功の鍵は、制度改革にある なぜ、技術力がありながらGDPは伸びなかったのか ・トップセールスをやる総理大臣はこれまでいなかった。これがアベノミクスの本当の姿であり、決してばかにしたものではない。 ・技術力がありながら、日本のGDPがこの二十年間、増えなかったのは、商売が下手だからである。 ・それは今までの方式が悪かった。 ・日本の民間企業は何をしていたかということになるが、責任を負わなければいけないのは役所である。 ・一番の責任は外務省にある。 ・トラブルが起こった場合、日本の外務省は何もしてくれない。しかし、アメリカの国務省はただちに動く。 ・日本の外務省はやる気がない。 ・北朝鮮の問題でも、経済制裁を強化する必要がある。経済制裁を思い切って強化して締め上げ、「日本と手を結ばなかったら、あなたのところはどうなるか」がわかるようにしなければ、拉致問題は解決しない。 ・現在、表に出ている拉致被害者よりはるかに多くの日本人が、今でも北朝鮮に抑留されている。それをもっと強く外務省はアピールすべきである。 ・しかし外務省は、それをアピールできない。なぜか。長らく放置してきたからだ。 第５章　朴槿恵の韓国と習近平の中国 韓国企業はお釈迦様の手の上で踊る孫悟空 ・韓国人は「昼反日、夜親日」である。公式の場では建前をいい、非公式の場になると本音を口にするのだ。 ・韓国人はだれだって日本なしに韓国経済が成り立たないことをわかっている。 ・韓国はどうしても日本におんぶをせざるを得ないからだ。 ・例えば工作機械をつくる力が韓国にはない。工作機械をつくる能力が重要なのは、その工作機械を改良して別の機械製造を工夫できるということにある。 ・日本は工作機械で世界一のシェアを持っているが、それがあるから強い。日本にしか出来ない製品を日本は供給することができるのである。 ・工作機械工業を持っていない、自立した機械工業を持たない韓国の企業は、お釈迦様の手の上で踊っている孫悟空である。お釈迦様は日本だ。つまり、日本の手の上で踊っているだけである。 「ものづくりの精神」を育めない両班の社会 ・なぜ、韓国に「ものづくりの伝統」も「百年企業」もないのか。朝鮮半島では長い間、両班（※）が威張っていたからである。 ・働かない人が威張り、汗を流す人を馬鹿にする。そういう両班の社会をぶち破る槌の役割を果たしたのが朴正煕だった。 （※両班）高麗と李氏朝鮮の支配を担った身分階級。李氏朝鮮時代は階級の最上位に位置した。 　　　　　　　　時代とともにその数は増え、多くの人々が両班の末裔を自称している。 ・朴正煕は歴代の大統領の中ではただ一人、賄賂をもらったことがなかった。それは大したものである。 韓国が北朝鮮を抱えればつぶれる ・米にしても石油にしても、北朝鮮が崩壊して韓国がそれを引き受けたとき、すぐに必要となるものを提供する能力を持つのは日本だけである。 ・日本との関係を良好に保たずに、韓国は「北朝鮮危機」に対処し得ない。 中国の空母は軍事的な脅威ではない ・人民解放軍の文民統制ができていない以上、危ない軍隊であることは明らかだ。いつ反乱が起こるかわからない。 「大型の韓国化」が進む中国経済 ・メーカーが「本物」になっていくためには研究開発投資が大事だ。ところが、中国では日本のように技術力を持った「本物のメーカー」が生まれない。 ・目先の利益に目がくらんでしまい、研究開発するよりも技術を盗むからだ。 ・中国の産業構造転換でネックになっているのは、共産党である。共産党政権下で困るのは、研究開発をやっても成果を生産過程にまで持ち込めないことだ。 第６章　なぜ、新興国は行き詰まっているのか？ 再び「さよならアジア」 ・農地改革がもたらすものが「農業の生産性向上」だけではない。 ・一太番大きいのは「積極的に働いた人間が勝つ」という社会の構築である。 ・「積極的に働いた人間が勝つ社会の構築」において、「公正な競争」が不可欠だ。「公正」は法律によって支えられないと成立しない。したがって、法治主義国家でなければ「公正な競争」は生まれない。 ・これはソ連や中国の問題点に通じるが、その意味で合格点がつけられる国は、はっきりいって台湾までである。 ・農地改革の本質は単に農業の生産性を上げることではなく、農民の意識を変えることだ。それをなし得て初めて社会の近代化が成功する。 　　――　完　――